先日、LTSpice という回路シミュレーションソフトウェアのアップデートをしたら、バージョンがあがって ver.24 になっていてビックリ! Change Log を見ると 2023 年 11 月にバージョンアップしていたんですね。 なお、前のバージョンの LTSpice XVII (ローマ数字って読みにくいよね。17です、一応) はサポート終了ということで、新しい部品の追加はされなくなるそうです。
今回は、LTSpice がどういうものか説明したのち、LTSpice XVII との違い (Change Log を自動翻訳しただけですけど) を述べたいと思います。
LTSpice の前に、SPICE というソフトウェアについて
LTSpice は SPICE というソフトウェアから派生したソフトウェアなので、まずは SPICE について説明したいと思います。
SPICE という名前は、英語の「simulation program with integrated circuit emphasis」の略で、回路動作をシミュレーションするプログラムになります。 カリフォルニア大学バークレー校で1970年代前半頃に開発されはじめ、過渡解析、直流解析、小信号交流解析、雑音解析などが可能です。
LTSpice とは
LTSpice は、バークレー校のものを元に改良、機能付加したもので、旧 LT (Linear Technology 社) が作った Spice という意味です。LT は ADI (Analog Devices 社) に買収されてしまいましたので、現在は ADI からの提供になります。
最初から LT 製品のモデルが入っていて、 特にスイッチング電源あたりのシミュレーションが やりやすいっていうのがいいところだと思います。
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LTSpice が XVII から 24 になってどう変わったか?
Change Logを見ると次の通り。DeepL 使って翻訳しています。ちょっとおかしな言い回しもありますが、そこはご愛敬。
- シミュレーション速度の高速化と一貫性の向上
- UI の改善
- ほとんどのアプリケーションでパフォーマンスが向上するように、trtol のデフォルトを 2 に変更しました。
- 周波数応答解析の強化
- 新しい4端子プローブ
- トップフィードバック抵抗を内蔵したuModuleの解析が可能
- 反転出力と電流フィードバックの解析を簡素化
- ループ内の任意のポイントを解析
- 位相の代わりに位相マージン(位相+180)をプロット
- スティミュラスの遷移をスムーズにして、セトリングを高速化/精度を向上
- 新しい4端子プローブ
- 波形ビューアの改良
- 右クリックによるプロットペインの再配置 > 上下に移動、上下に追加
- カーソルの追加/消去のためのメニュー項目、ショートカット、ボタンの追加
- ESCキーですべてのカーソルをクリア
- 右クリック > メモと注釈で位相/ゲインマージンを注釈
- 多数のバグ修正
- カーソルやトレースのドラッグを含む波形のマーチングの改善
- ダイアログの改善
- 新しい解析設定ツールバーボタンとショートカット("A")
- 回路図上で可能なすべてのシミュレーション・コマンドをタブに表示
- すべてのタブの編集が回路図のテキストにマップされます。
- 回路図テキストはコメント/ディレクティブの間で適切に切り替えられます。
- Shift + 左クリックでコメント/ディレクティブの切り替えが可能
- コンポーネント・ライブラリと AppData
- LTspice の改善に役立てるため、匿名での使用状況分析を共有できます。
- SPICE ログファイルの改善と合理化
- LTspice のバージョン、デフォルトでない公差などを報告します。
- ユーザビリティの改善
- 例題を開く」を含むヘルプメニューの項目増加
- ウィンドウを縦に並べる新しいツールバーボタン
- 設定ダイアログが最後のタブを記憶
- 多数のバグ修正
所感
- 操作性は良くなったと思います
- Shift + 左クリックでコメント/ディレクティブの切り替えはとても便利。いろんな条件でのシミュレーションがしやすい
- 見た目もモダンになったかな
- ADI は最近いろんな会社を買収しているので、どんどん新しいモデルがデフォルトでインストールされているのがよい。次は Maxim あたりのモデルも追加されそう
ここまで読んでくださりありがとうございました。