ボールペンに限らず、インクというのはいろんな特性を持っていて、深く知り、こだわり始めると、どれにしようか迷ってしまうものです。
今回の記事では、インクの基本的な分類について簡単に紹介したいと思います。
なお、このへんの情報はネットで結構記載がありますが、それらを短くまとめてみたって感じです。
インクの分類の仕方はいろいろ定義があるかと思いますが、下記のように構成要素と特性で分けるのがわかりやすいと思っています。
- 構成要素で分ける
- 溶剤 : 油性、水性
- 色材 : 染料、顔料
染料は溶剤に溶ける
顔料は溶剤に溶けない。溶剤と混ざった状態
なお、油性は顔料で作るのが難しいらしく、ほぼ染料 - その他 : 添加材や樹脂など
- 特性で分ける
- 粘度 : 主に溶剤で決まる。高いと書き味重く、ボテが出る。低いとなめらか
- 速乾性 : 主に溶剤で決まる。速乾性がないと、にじむ
- 発色 : 主に色材で決まる
- 耐久性 : 耐水性、耐光性、耐アルコール性などのこと。主に色材で決まる。
- 裏抜け : 複合要素で決まる (これが一番難しくてよくわからない)
なお、ゲルインクは、水性の溶剤に添加剤としてゲル化剤を加えたものです。油性と水性のいいとこ取りの特性と言われています (なお、油性の溶剤にゲル化剤を加えたモノもあるらしい)。
構成要素と、特性をマトリックスにすると下記の表になります。
特性 | |||||||
粘度 | 速乾性 | 発色 | 耐久性 | 裏抜け | |||
構成要素 | 溶剤 | 油性 | 高い | 速い | − | − | 抜けにくい |
水性 | 低い | 遅い | − | − | 抜けやすい | ||
色材 | 染料 | − | − | 鮮やか | 劣る | 抜けやすい | |
顔料 | − | − | いまいち | 良い | 抜けにくい |
使う側としては、これくらい知っていれば十分かと思います。
なぜそういう特性になるのかとかを語り出すと、長くなりすぎるのでここら辺で。
わからないこと
さて、インクの一般的な話はこれで十分なのですが、この表ではわからないこともあります。
その一つが、経年変化による裏抜け。
例えば、有名なところだと、トモエリバー紙とジェットストリーム。ジェットストリームのインクは染料+顔料なんだけど、染料の部分が影響するのかな?
紙との相性とか、気候とか、要素が多すぎてわかりません。
今回は以上になります。